この夏、日本最大の妖怪ミュージアムから、鬼や天狗、そして得体のしれない「もののけ」たちが、土佐の地にやってきます。
2025年7月4日(金)から9月7日(日)まで、高知県立歴史民俗資料館にて、企画展「妖怪纍纍(ようかいらいらい)」が開催されます。
日本一の妖怪コレクター・湯本豪一氏のコレクションから選りすぐりの資料を展示する本展は、ただ怖いだけではない、ユニークで奥深い妖怪の世界へと我々を誘います。 この記事では、その見どころや注目の展示品、そして関連イベントまでを網羅した「完全ガイド」をお届けします。
■ 「妖怪纍纍」展の見どころ
本展は、日本最大の妖怪専門ミュージアム「湯本豪一記念日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)」の所蔵品から、選りすぐりのコレクションを展示するものです。
- 人々の想像力の歴史をたどる: かつては畏怖の対象であった妖怪が、いかにして娯楽の対象へと変化していったのか。絵巻や冊子、おもちゃなど多様な資料を通じて、見えない存在を「視覚化」してきた日本人の豊かな想像力の歴史に迫ります。
- 土佐の妖怪も集結: 全国の妖怪だけでなく、地元・土佐に伝わる妖怪を紹介するコーナーも設けられます。
- 一部展示替えあり: 会期中には、一部の展示資料の入れ替えや場面替えが予定されており、訪れるたびに新たな発見があるかもしれません。
■ 注目の展示品
数ある展示品の中から、特に注目すべき作品を一部ご紹介します。
- 「大江山絵巻 下巻」: 源頼光と四天王による酒呑童子退治を描いた絵巻。
- 「変化絵巻 上」: 丹後国の武士の屋敷に次々と現れる怪異を描いた絵巻。
- 「神農化物退治絵巻」: 薬の神様・神農が、なんとおならで妖怪を退治するというユーモラスな物語。
- 「化物歌合せ」: 天狗などの妖怪たちが和歌を詠み、その優劣を競うという風流な作品。
- 「百物語絵巻 天」: 広島県三次に伝わる江戸時代最大の妖怪譚「稲生物怪録」を絵巻化したもの。
■ 関連イベント情報
本展に関連して、専門家による講演会や学芸員による解説など、より深く妖怪の世界を楽しめる企画が多数用意されています。
- ミュージアムトーク
- 日時: 7月26日(土)、8月11日(月・祝) 各日14:00~
- 特徴: 予約不要で、担当学芸員による展示解説を直接聞くことができます。
- 講演会「妖怪を集める」
- 日時: 8月3日(日) 14:00~
- 講師: 湯本豪一 氏(三次もののけミュージアム名誉館長)
- 特徴: 日本一の妖怪コレクションがどのようにして築かれたのか、コレクター自身から語られる貴重な機会です。
- 講座「土佐妖怪列伝」
- 日時: 8月30日(土) 14:00~
- 講師: 梅野光興 氏(当館学芸員)
- 特徴: 七人ミサキなど、土佐に伝わる妖怪について深く学べます。
※講演会と講座は要予約・要観覧券です。オンライン聴講(Zoom)も可能です。
■ イベント概要
- 展覧会名: 妖怪纍纍―湯本豪一記念日本妖怪博物館セレクション―
- 会期: 2025年7月4日(金)~9月7日(日)
- 会場: 高知県立歴史民俗資料館 1階企画展示室
- 開場時間: 9:00~17:00 (入館は16:30まで)
- 観覧料: 大人 700円
- 公式サイト: https://www.kochi-rekimin.jp/exhibits/76.html
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