令和7年9月7日から開催される特別展「Over The Waves ―南蛮・万博・ジャポニスム―」は、大阪・関西万博を記念し、「東西文化交流」をテーマに掲げた、まさに歴史の波を紐解く展覧会です。和泉市久保惣記念美術館の所蔵品に加え、重要文化財を含む国内外の貴重な作品群が、日本とヨーロッパが互いに影響を与え合った軌跡を辿ります。
開催概要
- 展覧会名: 特別展「Over The Waves ―南蛮・万博・ジャポニスム―」
- 場所: 和泉市久保惣記念美術館(新館・本館)
- 会期: 令和7年9月7日(日)〜11月3日(月・祝)
- 前期: 9月7日〜10月5日
- 後期: 10月7日〜11月3日
- ※会期中、一部作品に展示替えがあります。
- 開館時間: 午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 休館日: 月曜日(祝日の場合は開館、翌平日休館)、陳列替期間(10月6日)、年末年始
見どころ:東西文化交流の波を辿る
本展の最も注目すべきは、異なる時代に日本とヨーロッパが交わした影響の軌跡を、美術作品を通して感じられる点です。
1. 葛飾北斎とエドガー・ドガ、時代を超えた東西の共鳴
誰もが知る葛飾北斎の不朽の名作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」と、印象派を代表する画家エドガー・ドガの「踊り子」が、全期間を通して展示されます。19世紀のパリで、北斎をはじめとする浮世絵版画がモネやロートレックといった海外の芸術家たちに大きな影響を与え、「ジャポニスム」というムーブメントを巻き起こしました。この二作品からは、時代を超えて東西の文化が共鳴し、新たな芸術を生み出した息吹を感じることができるでしょう。
2. 南蛮文化の息吹を感じる重要文化財
16世紀後半から17世紀にかけて、西洋文化を積極的に取り入れた「南蛮文化」の時代。本展では、その時代を象徴する以下の貴重な作品が展示されます。
- 重要文化財「チュニス戦闘図・世界地図屏風」:香雪美術館蔵。前期のみの展示となります。
- 重要文化財「洋人奏楽図屏風」:MOA館蔵。後期のみの展示となります。
- 「友信」印 南蛮屏風:東京国立博物館蔵。後期のみの展示となります。
前期と後期で展示作品が入れ替わりますので、お目当ての作品がある場合は、ぜひ事前に確認して来場計画を立てることをお勧めします。
会場・アクセス
- 電車:
- 南海泉北線「和泉中央駅」下車。
- 南海バス①番乗り場より「美術館前」行きに乗車、「美術館前」バス停下車すぐです。
- 車:
- 阪和自動車道 岸和田・和泉インターより約3分。
- 無料駐車場が利用可能です。
【注意】 本記事の情報は公式発表に基づき作成しておりますが、最新情報についてはご来場前に公式サイトにて必ずご確認ください。
公式サイト: 和泉市久保惣記念美術館 公式サイト
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