

本記事は、京都文化博物館にて開催される特別展「原安三郎コレクション 北斎×広重」を、皆様がより深く、多角的に楽しむための、私たち「黄昏探求舎」からのささやかな「探求のヒント」です。
公式の展示構成を「道標(みちしるべ)」としながら、時に大胆な独自解釈を交えることで、作品に秘められた物語の奥深さに迫ります。ここに記されたのは、あくまで一つの視点。本当の「答え」は、ぜひ、京都文化博物館にて、あなたの目でご確認ください。


徹底討論!北斎vs広重、真の「風景画の王」はどちらだ?
やあ、こんにちは。来春、我々の京都が、熱狂に包まれることになるよ。
特別展『原安三郎コレクション 北斎×広重』。二人の天才による、“美の頂上決戦”が、ここ京都で幕を開けるんだ!
原安三郎コレクションとは?
実業家・原安三郎(1884〜1982)氏が蒐集したコレクション。同コレクションの中心である浮世絵は、大正のはじめに横浜の宣教師から譲り受けたものを母体として、長年にわたり集めていったものと伝えられます。
北斎と広重!『冨嶽三十六景』と『東海道五拾三次』か!俺でも知ってる名前だぜ。 こりゃすげえや!
『冨嶽三十六景』とは?
葛飾北斎による、1831年(天保2年)から刊行された富士山を様々な場所から見た連作シリーズ。三十六景とあるように企画の当初は36枚でしたが、人気があったため後に10枚追加され、全46図となりました。
『東海道五拾三次』とは?
歌川広重による、1833年(天保4年)より刊行された江戸と京都を結ぶ東海道の53の宿場と、日本橋、三条大橋を加えた全55図からなる連作シリーズ。
フン。議論の余地はない。勝者は、葛飾北斎。彼こそが、風景画に革命を起こした、唯一無二のイノベーターだ。
やれやれ、君はいつも結論が早いね。歌川広重が描いた、あの叙情的な世界の奥深さが、君には分からないのかい?……面白い。この展覧会、我々『たそたん』が、どちらの天才がより偉大か、決着をつけようじゃないか。
一条が語る、北斎の「圧倒的、独創性」
まず、データを見ろ。北斎は、大胆かつ独創的な構図で、自然の『本質』を切り取った。
例えば、この『冨嶽三十六景 凱風快晴』。


葛飾北斎
《冨嶽三十六景 凱風快晴》中外産業株式会社原安三郎コレクション
赤く染まる富士の、この圧倒的な存在感。全てを計算し尽くした、完璧なデザインだ。彼は、ただの風景ではなく、『概念』を描いたんだ。
さらに、『諸国瀧廻り 下野黒髪山きりふりの滝』 を見ろ。


葛飾北斎
《諸国瀧廻り 下野黒髪山きりふりの滝》中外産業株式会社原安三郎コレクション
『諸国瀧廻り 下野黒髪山きりふりの滝』とは?
各地の滝の名所を題材とした8枚シリーズのうちの1つ。「きりふりの滝」は栃木県に現存する霧降滝のこと。
自然の迫力と、その中で生きる人間の対比。時にユーモラスにさえ描く 。単なる美しい絵ではない。そこには、世界を分析する、冷徹な『視点』がある。これこそが、アートが持つべき力だ。
篠宮が語る、広重の「温かな、眼差し」
一条くんらしい視点だが……。私は広重の、そこに流れる『時間』と『空気』を描いた点を評価したいね。彼の武器は、穏やかな色彩感覚と、あたたかな眼差しさ。
この『東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景』を見てごらん。


歌川広重
《東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景》中外産業株式会社原安三郎コレクション
朝焼けの空の下、橋を行き交う人々の息遣いが聞こえてくるようだ。
季節の移り変わり、雨や雪といった天候……。彼は、風景の中に生きる、我々『人間』の営みそのものを、愛したんだ。
そして、この『武陽金沢八勝夜景』の静けさ。ただ美しいだけではない。そこにいる人々の、ささやかな幸福を願うような、優しい『祈り』が聞こえてこないかい?これこそ、魂を揺さぶる芸術だよ。


歌川広重
《武陽金沢ハ勝夜景》中外産業株式会社原安三郎コレクション
『武陽金沢八勝夜景』とは?
中国の文化に倣い、景勝地から八つの美しい風景を選ぶ「八景」という文化。広重により武蔵国金沢(現在の横浜市)の八景が描かれたことにより、この地が江戸の観光スポットとして広く知られました。
実はこの絵、「雪月花」をテーマにした三部作の「月」。木曽路の雪景色で「雪」を、阿波の鳴門の渦潮を大胆にも「花」に見立てた、広重の粋な構成力が光るシリーズです。
夏目が見つけた、この展覧会の「本当の楽しみ方」
いやー、二人とも、熱量がすごいな!どっちも凄すぎて、もう分かんねえよ!北斎は『カッケー!』ってなるし、広重は『エモい……』ってなるし。
……夏目。その小学生レベルの感想をやめろ。
でもよ、それでいいんじゃねえか?この展覧会の何が一番すげえって、原安三郎っていう一人のコレクターが、この二人の『揃物(シリーズもの)』を、こんなに完璧な状態で集めてたってことだろ?
しかも、摺りの色がめちゃくちゃ鮮やかで、当時の感覚で見られるんだってな。
……そうだね。夏目くんの言う通りだ。我々がこうして議論できるのも、原氏の審美眼のおかげだ。しかも、これまで公開されなかった肉筆画まで見られる。
これは、二人の天才の魂に、直接触れるような体験になるだろうね。
【まとめ】京都で、君自身の「答え」を見つけろ
この展覧会は、2026年4月18日から6月14日まで、京都文化博物館で開催される。
その後、徳島、秋田、静岡にも巡回予定のようだ。
革命か、共感か。君は、どちらの天才に、心を奪われるだろうか。その答えを、ぜひ、君自身の眼で確かめに行きたまえ。
どっちも最高だから、絶対行った方がいいぜ!
展示情報
| 展示名 | 特別展「原安三郎コレクション 北斎×広重」 |
| 会場 | 京都文化博物館 |
| 会期 | 2026年4月18日(土)〜6月14日(日) |
アクセス情報
- 地下鉄「烏丸御池駅」下車 5番出口から三条通りを東へ徒歩約3分
- 阪急「烏丸駅」下車 16番出口から高倉通りを北へ徒歩約7分
- 京阪「三条駅」下車 6番出口から三条通りを西へ徒歩約15分
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