

こんにちは、黒木重隆です。 普段は国際情勢や地域活性化の分析を行い、研究所でデータの海に溺れる日々を送っています。
現代は効率化の時代です。 「スマホがあればメモはいらない」という考え方も、情報の即時性を優先するならば合理的であり、一つの正解でしょう。
しかし、膨大な情報を体系化し、「雑多な事象」から「論理」を導き出すプロセスにおいて、私はあえてアナログな「手書き」という手段をとり続けています。 なぜなら、思考の「深さ」とリンクするのは、ペン先が紙を捉える抵抗感だと考えるからです。
特に、私がフィールドワーク(現場調査)や思考整理の相棒として採用しているのが、パイロットの万年筆「ライティブ(LIGHTIVE)」です。
価格は2,000円。 しかし、その性能を分析すればするほど、これは単なる廉価版ではなく、極めてロジカルに設計された「実務家のためのツール」であることが分かります。
今回は、私が愛用する「マットブラック(中字・M)」について、アナリストの視点からその有用性を検証します。
【1】外観分析:ノイズを削ぎ落とした「マットブラック」
まず、私が評価するのはその外観です。




私が選んだのは「マットブラック」。 光を吸い込むような艶消しの黒は、スーツの胸ポケットに差してもノイズにならず、ビジネスの場において「沈黙」を守ってくれます。
特筆すべきはその質感です。 プラスチック製でありながら、しっとりとした触り心地は、上質なガジェットや、使い込まれた革製品のような手に馴染む感覚があります。
そして、手に取った瞬間の「軽さ(約12g)」。 見た目の重厚感とのギャップに最初は驚きますが、これは「機動力」の証です。 地域活性化の現場は足で稼ぐもの。重たい万年筆はデスクには似合いますが、現場には不向きです。この軽さこそが、思考を妨げない最大の武器となります。
【2】筆記性能:思考速度に追従する「Mニブ」の滑らかさ
万年筆の心臓部であるペン先(ニブ)。私は「M(中字)」を選択しました。
スチール製のペン先は硬質で、筆圧の強い私の書き方でもしっかりと受け止めてくれます。 しかし、書き味は驚くほど滑らか。
紙の上にペン先を置くだけでインクが潤沢に湧き出し、思考のスピードに合わせてペンが走ります。 この「ヌラヌラ」とした書き味こそ、M(中字)の真骨頂。
- F(細字): 細かいデータの記録やスケジュール管理に。
- M(中字): アイデアの創出、大局的な構成案の作成に。思考を止めない滑らかさ。
私は断然Mを推します。 インクの濃淡(シェーディング)がはっきりと出るため、書き殴った文字にすら「思考の深さ」が可視化され、見返した時に当時の熱量が蘇るからです。
【3】リスク管理:ドライアップを防ぐ「気密性」
道具を選ぶ上で、私が最も重視するのは「信頼性(リライアビリティ)」です。 いざアイデアが降りてきた瞬間に「インクが乾いて書けない」などという事態は、機会損失(ロス)でしかありません。
その点、ライティブのキャップ構造は極めて優秀です。


内部に搭載されたインナーキャップが、閉める瞬間に「パチン」と密閉音を立てます。 この気密性の高さは特筆すべきで、1ヶ月ほど放置しても、書き出しから掠れることなくインクがフローします。
メンテナンスフリーで、常にスタンバイ状態を維持してくれる。 多忙なビジネスパーソンにとって、これ以上の機能はないでしょう。
【4】拡張性:静寂な夜のような「インク」を選ぶ
ライティブは、大容量コンバーター「CON-70N」に対応しています。 これを装着することで、好みのボトルインクを吸入し、自分だけの仕様にカスタマイズ(換装)が可能です。
私が推奨するのは、パイロットの「色彩雫(いろしずく)」シリーズ。
特に「月夜(つきよ)」という色は素晴らしい。 青でも黒でもない、静寂な夜の色。 文字を書いた直後と、乾いた後で色味が変化する様は、まるで空の色が移ろうような美しさがあります。
論理的な思考を行う時こそ、こうした「情緒」ある色が、凝り固まった脳を解きほぐしてくれるのです。
結論:これは「2,000円の万年筆」ではない
これだけの機能を備えながら、2,000円という価格設定。 コストパフォーマンスの観点から分析しても、「導入しない理由が見当たらない」というのが私の結論です。
これから思考整理のメソッドを学びたい方、あるいはビジネスの現場で戦うための「知的生産ツール」を探している方に。 このライティブは、間違いなく最良のパートナーとなるでしょう。
▼ 私が現場で採用している「マットブラック」
▼ 思考を深める「月夜」のインク
この記事の案内人のご紹介


社会課題アナリスト。国際インテリジェンス・安全保障研究所の所長。専門は地域活性化/国際情勢/防災。研究所での知見を活かし、メディア「ゆるなご」に寄稿中。趣味はスパイスカレーと刀剣鑑賞。
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