

さて、始めようか。前回の、一条くんの視点(※)は実に興味深かった。カフェという空間を、『時間価値』という観点から分析する。私にはなかった発想で、一つの『学び』になったよ。
※【福岡・ワンビル】「仕事が捗る」最強コスパカフェ3選【黄昏探求舎の福岡カフェ案内】

フン。君にも、その合理性が理解できたのなら何よりだ。

ああ。だからこそ、今日は君に、もう一つの『価値』を提示したいんだ。それは、人の心を豊かにする『美しさ』という価値だ。さあ、私がお連れしよう。

おっ、面白くなってきたな!今日はどんな発見があるか、楽しみだぜ!
黄昏探求舎が選ぶ!「今日の気分はどれ?」目的別カフェ案内~篠宮 静真の場合~
「SPIRAL GARDEN」~篠宮 静真と巡る、アートと生活が融合する場所~

さて、二人とも。ここはただのカフェではない。まずは、この空間そのものを、五感で味わってほしい。



へぇ、雑貨ショップの一角というか、同じ区画にカフェエリアがあるんだな。インテリアがアートっつうかなんかおしゃれだな。





ここは、東京・青山にあるアートセンター『スパイラル』の遺伝子を継ぐ場所。彼らが掲げるテーマは『生活とアートの融合』さ。入口付近には福岡の若き才能が放つ作品のミニギャラリー。そして、ショップには、日常を彩る美しい生活雑貨が並んでいる。

なるほど。アートギャラリーとライフスタイルショップにカフェを併設することで、文化的体験と消費活動をシームレスに繋ぐ、というビジネスモデルか。興味深いな。

そう。アートに触れ、美しい雑貨に心を遊ばせた後、その余韻を楽しみながら、ここで一息つく。この一連の流れこそが、最高の『体験』になるんだ。……さ、私のおすすめをいただこうか。

うきは産ベーコンのBLTフォカッチャ

フルーツスカッシュ 4種のベリーミックス

うわ、美味そう!このフォカッチャ、ベーコンがやけに美味いな!

ふふ、分かるかい?それは、福岡県うきは市産のベーコンだよ。これもまた、東京の洗練と、福岡という土地の恵みの『融合』というわけさ。見たまえ、この美しい層を。食べる芸術品だろう?

フルーツスカッシュも、単なる炭酸飲料とは一線を画すな。甘さと酸味のバランスが、極めて高いレベルで計算されている

そうだろう?宝石のように美しいだけでなく、炭酸が苦手な人でも楽しめる、優しい口当たりなんだ。販売カウンターに並んだ瓶も美しく、実にアートじゃないか。


……どうだね、二人とも。日常の中に、これほど豊かなアート体験が隠されているのだよ。
SPIRAL GARDEN
所在地:ONE FUKUOKA BLDG. 3F
営業時間:平日11:00~20:00 / 土日祝 10:00~20:00
https://onefukuoka-building.jp/shop/100
https://www.spiral.co.jp/shoplist/spiral_garden_fukuoka
「THE CAFE by ONE FUKUOKA HOTEL」~篠宮 静真が語る、喧騒を忘れる「本物の時間」の価値~

お次はワンビル1階、ONE FUKUOKA HOTELが自ら手掛ける『THE CAFE』。ここにあるのは、喧騒を忘れさせてくれる、本物の『時間』だ。



おお、確かにホテル直営ってだけあって、落ち着いた雰囲気だな。金曜の夕方でも、ちゃんと席が選べるくらいなちょうどいい混み具合がいいな。

そうだろう?茶色を基調としたシックな内装だが、不思議と緊張しない。このゆったりとした空気感こそ、ホテルが持つ『もてなしの心』の表れさ。……見なさい、このテーブルの稲妻模様。遊び心も忘れていない。



それで、篠宮。君が評価する『本物の価値』とは、具体的に何だ?

この組み合わせだよ。朝焼きのフィナンシェと、コールドクレマコーヒー。この二つが織りなす、光と影のコントラストだ。



まずは、このフィナンシェ。私はプレーンを選んだが……口に含むと、後からバターがふわりと香る。派手さはないが、じんわりと心に沁みる美味しさだ。特に、この端の少しだけ硬質な部分……カリッとした食感が、全体の柔らかさの中で良いアクセントになっている。

へぇ、美味そうだな。椅子も座りやすいし、荷物置きがあるのも、地味にありがたいよな。

そして、このコーヒーの、見てごらん、このきめ細かく、ふわふわとした泡(クレマ)を。だが、その下にある液体は、しっかりとした苦味を持っている。フィナンシェの優しい甘さを、この苦味がキリりと引き締めるんだ。

フィナンシェ一つで400円か。……まあ、この空間と体験価値を考慮すれば、妥当な価格設定だな。

ふふ、だろう?今回は頼まなかったが、ここの名物は『バスクチーズケーキ』と、ホテルオリジナルブレンドのコーヒーをそのまま使ったという『ONE珈琲ゼリー』らしい。……また一つ、この場所を再訪する理由ができてしまったようだね。
THE CAFE by ONE FUKUOKA HOTEL
所在地:ONE FUKUOKA BLDG. 1F
営業時間:11:00〜20:00
https://onefukuoka-building.jp/shop/56
https://onefukuokahotel.jp/restaurant/the-cafe-by-one-fukuoka-hotel/
「神乃珈琲」~篠宮 静真が誘う、「珈琲道」の世界。神乃珈琲に宿る日本の心~

さて、私が最後にお見せしたいのは、単なるカフェではない。日本の『珈琲道』とも言うべき、一つの哲学だよ。ドトールが手掛ける『神乃珈琲』さ。



ドトールの最高級ブランド、か。確かに、ロゴも印鑑のような書体に、富士山と日月。非常に計算された『日本らしさ』のブランディングだな。

その通り。彼らは、茶道の『お茶を点てる』ような、おもてなしの心を表現したかったそうだ。だからこそ、ブランドビジュアルに『和』のイメージを徹底している。……さあ、席は確保したかい?ここはセルフ形式だから、先に注文をしよう。

へぇ、セルフなんだな。ブザーが鳴ったら取りに行くと。……あ、篠宮さん、おすすめのテラス席、確保しときましたよっと。……しかし、このテラスへのドア、結構重いな。トレー持ってると、ちょっと危ねえかも。

ありがとう、夏目くん。……ああ、やはりここのテラスは素晴らしい。吹き抜ける風が心地いいね。



フン。心地よい、だけではないな。目の前で進む、天神ビッグバンの再開発工事……。これは、2025年現在の福岡の『活気』を、リアルタイムで感じられる特等席だ。実に興味深いロケーション設定だ。

なるほどな。確かに、古い街が壊されて、新しいビルが建っていくのを眺めながらコーヒー飲むって、なんか不思議な気分だぜ。

さて、私が注文したのは、オリジナルブレンドの『月煎(つきいり)』。グアテマラのピーカンナッツのような香ばしさと、深いコクを引き出した一杯、だそうだが……。



……ほう。これは……ふふ、面白い。『コーヒーとの戦い』とでも言うべき、一切の妥協がない、力強い苦味だ。安易な飲みやすさに逃げない、という作り手の覚悟を感じるね。

スイーツとのペアリングを前提とした、計算された味覚設計の可能性が高いな。入口のメニューにあった和三盆プリン、アップルタタン……。確かに、この苦味となら最高の調和(マリアージュ)を生みそうだ。



そうそう、注文の時にスイーツも美味そうだなって思ったんだよ!苺と宇治抹茶のダックワーズなんて、絶対美味いだろ!

ああ。どうやら、この一杯だけでは、まだ神乃珈琲の『物語』の序章にしか、触れられていないようだね。……また来なければならないな。
神乃珈琲
所在地:ONE FUKUOKA BLDG. 4F
営業時間:平日11:00~20:00 / 土日祝 10:00~20:00
https://onefukuoka-building.jp/shop/119
https://kannocoffee.com/
さらに「ワンビル」のオススメカフェをご紹介!次回の案内人は「元気が出てくる」という観点を重視する夏目 創のカフェ3選をお送りします

……どうだろうか。一杯のコーヒーが、これほどまでに豊かな体験になり得るのだよ。

いやー、二人とも、さすがだな!一条さんの『効率を極める』視点も、篠宮さんの『美を追求する』視点も、どっちも面白かったぜ。おかげで、俺もワンビルがもっと好きになったよ。

その上で、だ。俺が最後に紹介するのは、『明日も頑張ろう』って、自然と元気が出てくるような、そんな温かい場所だ。トリは、俺に任せろ!
次回、夏目 創が選ぶ「心がホッとする」おもてなしカフェ3選、更新をお楽しみに!
たそたん一条によるワンビルカフェ案内第一弾!
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