国宝「豊後国行平作」をはじめとする名刀が一堂に会する特別展「豊後国行平―『祈り』の刀剣―」が、大分県立歴史博物館にて、令和7年9月19日(金曜日)から11月3日(月曜日・祝日)まで開催されます。
平安時代後期から活躍した豊後国の名工・行平(ゆきひら)は、一説に後鳥羽上皇の御番鍛冶を務めたとも伝わる、古作の名工として知られています。現存するその作品のほとんどは、奉納刀や将軍家・有力大名家に伝来してきたものであり、800年余りの日本の歴史とともに受け継がれてきました。本展は、名工・行平の作品と、それに込められた「祈り」の意義に改めて向き合う貴重な機会となります。
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名工・豊後国行平の魅力と展示ハイライト
平安時代後期に始まる日本刀の歴史において、九州では筑後国の光世(みつよ)、薩摩国の波平行安(なみのひらゆきやす)とともに、豊後国の行平が俗に「古作」の名工として高く評価されてきました。すでに鎌倉時代には偽銘が切られていたと伝わるなど、その価値は古くから確立されています。
本特別展では、名工・行平の作品を一堂に集め、その背景にある歴史とともに魅力を紹介します。また、定秀や神息など、おおいたの古刀期を代表する刀工たちの作品や、行平に関連する作品もあわせて展示し、豊後刀の「美」とは何か、刀剣に込められた「祈り」とは何だったのかを考察します。
主な展示品一覧
本展では、以下の刀剣・美術品が展示されます。特に国宝「豊後国行平作」(古今伝授の太刀)は必見です。
豊後国行平の重要作品
- 太刀 銘「豊後国行平作」(公益財団法人永青文庫蔵)〔国宝〕※古今伝授の太刀
- 太刀 銘「豊後国行平作」(東京国立博物館蔵)〔重要文化財〕
- 太刀 銘「元久二年二月」「豊後国住行平作」(個人蔵/刀剣博物館寄託)〔重要美術品〕
- 太刀 銘「豊後国行平作」(八坂神社蔵/京都国立博物館寄託)〔重要文化財〕
- 太刀 銘「豊後国行平作」(公益財団法人佐野美術館蔵)〔重要文化財〕
その他の重要作品
- 太刀 銘「豊後国僧定秀作」(刀剣博物館蔵)〔重要美術品〕
- 短刀 銘「光世」(本妙寺蔵)〔重要文化財〕
- 短刀 銘「左」「筑州住」(京都国立博物館蔵)〔重要文化財〕
- 白檀塗浅葱糸威腹巻(柞原八幡宮蔵)〔重要文化財〕
- 木造俱利迦羅竜剣(小武寺蔵)〔重要文化財〕
展覧会概要・チケット情報
| 企画展名 | 豊後国行平―「祈り」の刀剣― |
| 会場 | 大分県立歴史博物館 企画展示室 |
| 会期 | 令和7年9月19日(金曜日)~11月3日(月曜日・祝日) |
| 開館時間 | 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで) ※初日9月19日(金曜日)は午前11時開館となります。 |
| 休館日 | 毎週月曜日(祝日・振替休日の場合はその直後の平日) |
| 公式サイト | 歴史博物館 – 大分県ホームページ |
観覧料
| 区分 | 個人(当日) | 個人(前売) | 団体(20名以上) |
| 一般 | 510円 | 460円 | 360円 |
| 高・大学生 | 310円 | 200円 | 200円 |
【無料対象者】
- 中学生以下
- 土曜日の高校生
- 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかをお持ちの方とその付添いの方1名
関連イベント情報
会期中は、刀剣の魅力と背景を深掘りする講演会や演武など、多彩なイベントが開催されます。
記念講演会・シンポジウム
| イベント名 | 日時 | 講師 | 定員 |
| 記念講演会「豊後行平と九州の古刀」 | 令和7年9月21日(日)113時30分~15時00分 | 堀本一繁氏(福岡市博物館学芸課主査) | 200名 |
| 記念シンポジウム「最前線!日本刀研究」 | 令和7年10月18日(土)13時30分~15時15分 | 末兼俊彦氏(京都国立博物館主任研究員)他 | 160名 |
| 日本刀の見方と取扱い | 令和7年10月26日(日)13時00分~15時00分 | 平川毅(大分県立歴史博物館学芸調査課長) | なし |
記念イベント
- 「豊後国行平」展記念イベント
- 日時:令和7年10月11日(土)13時30分~16時00分
- 内容:居合道演武(夢想神伝流教士七段 徳光正和氏)、雅楽演奏(〆野護元氏)
- 定員:200名
- ※各種イベントの整理券は、当日9時30分より受付にて配布されます。
会場アクセス
大分県立歴史博物館
| 所在地 | 大分県宇佐市大字高森字京塚 |
| 公共交通機関 | JR宇佐駅から車で10分 JR柳ヶ浦駅、JR豊前長洲駅から車で5分 |
| 自動車 | 東九州自動車道 宇佐ICから12分 東九州自動車道 院内ICから15分 |
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