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2025年春アニメ「ウマ娘 シンデレラグレイ」。
このアニメは、ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」およびヤングジャンプで連載中の漫画が原作なのですが、主役のウマ娘「オグリキャップ」は1987年から1990年にかけて活躍した実在の名競走馬・オグリキャップがモデルになっています。
「ウマ娘」というコンテンツは、ウマ娘のキャラクター造形やストーリーに、実際の競走馬やスタッフの方々のエピソードを敬意をこめて反映しているのが魅力の作品でもあります。ですので、そういったエピソード、つまり「元ネタ」探しとその比較も楽しみの1つです。
この記事では「ウマ娘 シンデレラグレイ」という作品を楽しむための「元ネタ」を紹介していきたいと思います。
※アニメのみを追う予定の方には、先の展開のネタバレに抵触する箇所が出てまいります。ご注意ください。
北原「俺は、スターを育てたい」セリフの際にイメージで登場する ウマ娘は?
ウマ娘・オグリキャップをスカウトするトレーナーの北原のこちらのセリフ
北原「俺は、スターを育てたい」
ここでステージに向かっているウマ娘のイメージイラストが表示されます。
おそらく彼女は「シンボリルドルフ」だと思われます。オープニングや第1話冒頭でも登場している、中央トレセン学園の生徒会長を務めるウマ娘です。
なぜここで、イメージとしてシンボリルドルフが選ばれたのか?
今後、オグリキャップにとって重要な意味を持ってくるウマ娘であるということもあるかと思いますが、
馬のほうのシンボリルドルフが、同じく馬のオグリキャップが競馬界を越えてのアイドルになっていく直前の年代のスターホースだったこともあると思われます。
そしてその時期、1980年代後期は、競馬界で圧倒的な強さを持つスターホースが求められていた時代だったそうです。
北原「スターがいないんだよ……」
北原「自分と重ね合わせて心の底から応援したくなるような……そんなウマ娘が……」
もしかしたら第1話北原のこのセリフは、そのような当時の競馬界の状況をモデルとしていたのかもしれません。
ベルノライト「東海ダービー!SPⅠ(エスピーワン)の重賞レースじゃないですか!」
第1話の記事でもご紹介しましたが、「東海ダービー」は、競馬において2025年現在「東海優駿」という名となっている実在するレース名です。
ベルノライトのこのセリフにて、「シンデレラグレイ」でも競馬の格付け設定を踏襲してレースの設定がなされていることがわかります。
SPとは、東海地区独自のレースの格付けで「スーパーグレード」の略だそうです。
SPⅠ、SPⅡ、SPⅢと3種類あり、SP1が一番格上です。
また「重賞レース」とは、競馬で言う「重賞競走」と同義で、レースの中でも歴史や伝統があり、賞金も高額な特別な意義をもったレースのことを指します。
北原のチームにオグリキャップ、ベルノライト以外にいない理由とは?
オグリキャップとベルノライトが北原のトレーナールームを訪れた際に、彼と契約するウマ娘が誰もいない描写があります。
新人トレーナーではなさそうで、周囲の同僚とも関係性が良く、第2話で語られるようにオグリキャップらへの指導もしっかりしており、特に問題があるトレーナーではないように思える彼のチームメンバーが0名である理由は、漫画担当の久住太陽先生のXによると、漫画の裏設定のようです。
その設定は、今後何らかの形で語られることがあるのかもしれません。
フジマサマーチの「脚質」は「逃げ」とは?
トレーニングで走り込むフジマサマーチを監督しながら、柴崎トレーナーがこのようにつぶやきます。
柴崎「脚質(きゃくしつ)は逃げ、それも短距離向きだな」
脚質とは、競走馬のレースの進め方(戦法)の分類のことで、下記の5種類にわけられるそうです。
- 逃げ
- 先行
- 差し
- 追い込み
- 自在
ウマ娘でも競走馬のそれを踏襲した言い回しをしていて、フジマサマーチはこのうちの「逃げ」で、レースの早い段階から先頭に位置して走る戦法を取ることが得意ということになります。
トレーナー北原穣にも元ネタ・モデルあり?
デビュー戦の勝利を目指し、北原トレーナーのもとでトレーニングを開始するオグリキャップたち。そのシーンで、北原はオグリキャップのことを「キャップ」と呼んでいます。
一般的に馬のオグリキャップの名前を省略して呼ぶ場合、競馬関係の記事などでは「オグリ」と呼ばれることが多い印象です。
「シンデレラグレイ」および、ウマ娘のアプリゲームにおいてもそれを踏襲し、「オグリ」と呼ばれています。オグリキャップの母は「オグリ」、ベルノライトも「オグリちゃん」と呼んでいますね。
ですが北原だけは、彼女を「キャップ」と呼びます。
これは、「シンデレラグレイ」アニメ第1話のラスト付近、オグリキャップが名乗った際の北原の下記のセリフから
北原「キャップ……いい名だ」
東海ダービーという険しい山の頂き(キャップ)に君臨して欲しいという願掛けの意味もあり、彼がことさらにそう呼びたくて呼んでいるのだと思われます。
しかし、ウマ娘というコンテンツには、トレーナーのキャラクターにもモデルがある場合があります。
必ずしも一人のモデルではなく、騎手、調教師、厩務員、馬主などの周囲の人々のエピソードが散りばめられている傾向があるのですが、この「シンデレラグレイ」の北原穣というキャラクターに関しては、特に色濃い影響があるのは、馬のオグリキャップを「キャップ」と呼んでいた下記のお二人であるように思います(※)。
※ただ、馬のオグリキャップの「オグリ」は、初代馬主である小栗孝一氏の冠名(かんむりめい)に由来します。冠名とは、馬主が所有する馬の名前に共通してつけるもので、笠松競馬場では「オグリ◎◎」という名前の馬が多かったため、笠松の関係者からは「キャップ」と呼ばれることが多かったようです。
候補① 調教師「鷲見昌勇」氏
馬のオグリキャップを笠松競馬場所属時に管理していた調教師の方です。北原が東海ダービー制覇を目指している設定もこちらがモデルになっていると思われます。
北原穣の「穣(ジョー)」という名前も、
鷲見⇒鷲⇒コンドル⇒コンドルのジョー(ガッチャマン)の連想の可能性がある……かも?
候補② 騎手の「安藤勝己」氏
もう一人のモデル候補は、笠松競馬場所属時代のオグリキャップに6戦目から騎乗した「安藤勝己」氏です。理由は、その騎手人生にあります。
今後の展開の大きなネタバレになるので下記に閉じておきます(クリックで表示)。
北原穣が安藤勝己氏をモデルにしていると思われる理由
シンデレラグレイのこの後の展開で、オグリキャップはシンボリルドルフにスカウトされ、中央のトレセン学園に行くことになります。
しかしトレーナーである北原穣は中央のライセンスを持っていないため、オグリを中央トレーナーである叔父の六平銀次郎に預け、自分は中央のトレーナーを目指すべく勉強に勤しみます。
結局、その努力が実り、晴れて中央でオグリのトレーナーとして再出発することとなります。
これは、馬のオグリキャップも中央競馬の馬主資格を持つ佐橋五十雄オーナーが彼に惚れ込み、オーナーや調教師を口説き落として中央への移籍させた過程をモデルにしていると同時に、騎手である安藤勝己氏が、笠松競馬から中央競馬移籍を果たしたというエピソードも使われているのだと思われます。
ただ、安藤勝己氏は中央でオグリキャップに騎乗をする機会は無かったそうです。
ちなみに安藤勝己氏が、オグリキャップ初騎乗の際の貴重な映像を見ながらトークするという動画があります。
トーク内容によっては「シングレ」ネタバレになってしまう部分もあるかと思いますが、ご紹介しておきます。
ベルノライトの可愛いパジャマのブランドは?
早起きして食堂に訪れたベルノライトが着ているピンクの可愛い部屋着。漫画担当の久住太陽先生のXでこのように紹介がありました。
パステルカラーで可愛くてふわふわで人気のルームウェアブランド「ジェラートピケ」のものをモデルにしているのだと思われます。

フジマサマーチとの初対戦・デビュー戦にも元ネタあり
このレースは、馬のオグリキャップのはじめての公式レースである「新馬戦」がモデルになっているようです。新馬戦とは、レース経験のない競走馬のみが出場できるレースのことです。
フジマサマーチのモデル馬であるマーチトウショウも、もちろん実際に出場しています。
アニメでは、スタート出遅れ、他のウマ娘にぶつかられてしまい外に振られてしまいましたね。馬のオグリキャップの新馬戦もそのような流れだったようです。
細かく実際のレースの流れを反映しつつ、うまくウマ娘のオグリキャップの物語の一要素として面白く描いている様は、本当に感心いたします。
オグリの髪飾りデザインにも元ネタあり
レース前に、オグリがその母の現役時代に使っていた髪飾りを装着するシーンが有りました。
このひし形が連なるデザインの元ネタは、馬のオグリキャップの初代馬主・小栗孝一氏の「勝負服」に由来しています。
「勝負服」とは、騎手がレースの際に着用する服のこと。レースにあたって「どの馬主に所有されている馬であるか」がわかりやすいように、馬主ごとに違うデザインになっています。
ウマ娘・シンデレラグレイの現在の話数では、レースの際には学園共通のジャージを着用していますが、オープニングアニメーションではウマ娘ごとに違う衣装を着ています。
第1話冒頭の歴代レースのイメージ映像でも、それぞれ個性的な服をまとって走っていたかと思います。
これは、競走馬のそれに倣い、「勝負服」と言います。特別なレースの際に着用する設定となっていて、ウマ娘のオグリキャップの場合は白がベースで赤、青、黄色が差し色の衣装です。
このデザインも馬主の勝負服由来なのですが、黄色いひし形以外のカラーリングは小栗孝一氏のものではなく、ニ代目の馬主の佐橋五十雄氏のもののようです。
サウスヒロインの裏話
同レースで、フジマサマーチに追い抜かれてしまうウマ娘「サウスヒロイン」ですが、漫画担当の久住太陽先生のXにてこのようなかわいい小話イラストが公開されています。彼女は豪快な巌 唯一トレーナーのチーム所属のようですね。
彼女はシンデレラグレイのオリジナルウマ娘ですが、モデルは馬のオグリキャップのデビュー戦でともに走った「ノースヒーロー」だと思われます。
第2話まとめ
第2話の元ネタまとめ、以上となります。
また、第2話で描写される泥だらけのオグリと、デビュー戦の様子を見て、タイトルの「シンデレラ(灰かぶり)」に込められた意味には、下記の意味もあるんだなあと思いました。
- ダートの「砂」を「灰」に見立てている
地方競馬は、基本的にダートコースです(中央競馬は芝とダートがあります)。ゆえに、地方競馬出身で中央競馬で活躍したオグリキャップをモデルにしたストーリーであるという意味があると考えられます。 - 走りたいから走るオグリキャップ
走れることが嬉しすぎて泥だらけになるまで走り込みむため、泥だらけ⇒泥かぶり⇒灰かぶりのイメージがあるのではないでしょうか。
このあとの話数も元ネタご紹介していきますので、ぜひまた読んでいただけると嬉しいです!
「シングレ」アニメの先行配信サイトまとめ
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