⇒【ウマ娘 シンデレラグレイ】アニメ第6話「元ネタ」・モデルをまとめて解説してみました【オグリキャップ】【「北原……私……勝っちゃうよ……?」にも元ネタあり?!フジマサマーチのその後とは?!】
2025年春アニメ「ウマ娘 シンデレラグレイ」。
このアニメは、ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」およびヤングジャンプで連載中の漫画が原作なのですが、主役のウマ娘「オグリキャップ」は1987年から1990年にかけて活躍した実在の名競走馬・オグリキャップがモデルになっています。
「ウマ娘」というコンテンツは、ウマ娘のキャラクター造形やストーリーに、実際の競走馬やスタッフの方々のエピソードを敬意をこめて反映しているのが魅力の作品でもあります。ですので、そういったエピソード、つまり「元ネタ」探しとその比較も楽しみの1つです。
この記事では「ウマ娘 シンデレラグレイ」という作品を楽しむための「元ネタ」を紹介していきたいと思います。
※アニメのみを追う予定の方には、先の展開のネタバレに抵触する箇所が出てまいります。ご注意ください。
シンボリルドルフ「史上唯一の七冠ウマ娘」の元ネタとは?
中央トレセン学園にて、オグリキャップとベルノライトはトレーナーの六平銀次郎に連れられて、学園の生徒会長であり、オグリを中央にスカウトしたシンボリルドルフの元に行きます。
その道中、六平がルドルフについてこのように語っています。
六平「その中でも頂点に君臨するのが……史上唯一の七冠ウマ娘」
この七冠とは、ウマ娘・シンボリルドルフのモデル馬であるシンボリルドルフ号が勝った中央競馬の主要な7つのG1(※)レースが元ネタとなっています。
※G1とは、競馬において国際的に最高の格付けであるレースのこと。
以下、そのレース映像を見ていきましょう。
一冠目:1984年4月15日 皐月賞
二冠目:1984年5月27日 東京優駿(日本ダービー)
三冠目:1984年11月11日 菊花賞
四冠目:1984年12月23日 有馬記念
ウマ娘にもなっているカツラギエース号、ミスターシービー号とトップ争いをしたレース。
ちなみに、ウマ娘のエアグルーヴのモデル馬であるエアグルーヴ号の母、ダイナカール号もこのレースを走っています。
五冠目:1985年4月29日 天皇賞(春)
ミスターシービー号も出走したレース。
六冠目:1985年11月24日 ジャパンカップ
七冠目:1985年12月22日 有馬記念
クラスメイトのウマ娘たちの元ネタは?
ベルノライトが編入するサポート学科にて、個性の強すぎる三人のウマ娘がいっぺんに喋ってベルノが圧倒されるシーンがありましたが、コミックスでは彼女らの大量のセリフが細かく書かれていますので(一部見切れていますが)ご興味のある方は「シンデレラグレイ」コミックス3巻をチェックしてみてください。
ここでは、オグリキャップのクラスメイトについて、現時点で語れる範囲、ネタバレを避けて簡単に解説していきます。
ディクタストライカ
ウマ娘・ディクタストライカのモデル馬は「サッカーボーイ」号。
サッカーボーイ号の馬主である社台レースホースの勝負服由来であろう黄色と青の色合いのパーカーと黒い輪っかのブレスレット、実馬の毛色由来(栃栗毛:黄褐色を指す栗毛より少し暗い色あい)とおもわれる茶髪のちょっとヤンチャな感じのウマ娘ですね。
この話数の時点で「4戦3勝」と紹介されていますが、そのうちの1勝のモデルはなんとG1レース。確かに学年のエースと言えそうです。
1987年12月20日 阪神3歳ステークス
ちなみにサッカーボーイ号はウマ娘にもなっている「ナリタトップロード」号および「ヒシミラクル」号の父馬でもあります。
サクラチヨノオー
ウマ娘・サクラチヨノオーのモデル馬は同名の「サクラチヨノオー」号。ディクタストライカと同様に、「4戦3勝」と紹介されていますが、彼女のモデル馬もここまででG1レースを勝っています。
1987年12月20日 朝日杯3歳ステークス
メジロアルダン
ウマ娘・メジロアルダンのモデル馬は同名の「メジロアルダン」号。ここまで未出走と書いてありますが、この話数の時点でおそらく1988年2月半ばくらいの時期がモデルとなっていますので、彼女のモデル馬の初レースはもう少し先(3月末)となります。
メジロアルダン号は体質が弱かったらしく、同世代の他の馬に比べてデビューが遅れたそうで、そのあたりがモデルとなっているのでしょう。
彼女の髪色は水色ですが、オグリキャップやフジマサマーチのように「芦毛」というわけではなく、その体質の弱さと(少し先取り情報になってしまいますが)足の故障にたびたび泣かされた馬だったことから、清楚で儚げなそのキャラクターデザインとともに、壊れやすい「ガラス」のイメージが反映しているのだと思われます。
「名門メジロ家令嬢」についてですが、「メジロ家」のモデルは、冠名「メジロ」の馬を多数レースに送ったオーナーブリーダー(馬主兼生産者)であるメジロ牧場です。ウマ娘の世界においては、好成績を挙げるウマ娘を多数排出するウマ娘レース界の名家となっています。
ブラッキーエール
ウマ娘・ブラッキーエールのモデル馬は「ラガーブラック」号。
アニメでは8戦4勝、3連勝中とありますが、おそらくG3である日刊スポーツ賞シンザン記念も勝利している設定だと思われます。そしてこの直後、オグリキャップと対決するペガサスステークス(モデルのレースは1988年3月6日)前にまた1勝するので、大変勢いのある状態。良い悪いは別にして、オグリに対してあんな感じの態度なのは納得がいきますね。
スーパークリーク
ウマ娘・スーパークリークのモデル馬は同名の「スーパークリーク」号。
このシーンの時点が1988年2月半ばまでの時期をモデルとしているとすると、デビュー戦を1勝しているくらいと思われます。
(少し先取り情報になってしまいますが)このあと運命の出会いを果たし、その才能を開花させていくウマ娘です。
ヤエノムテキ
ウマ娘・ヤエノムテキのモデル馬は同名の「ヤエノムテキ」号。「四白流星の美男子」と呼ばれたグッドルッキングホースだったようです。四白流星とは、額と足先に白い毛が入っている馬のこと。シングレアニメ第一話にも登場し、日本ダービーを勝利したウマ娘・メリービューティーのモデル馬であるメリーナイス号も四白流星でした。
また、キャラ登場時に未出走と書いてありましたように、彼女のモデル馬の初レースは、1988年2月末。メジロアルダン号のように同期より遅れてのデビュー戦だったのは、足の故障があったためとのことです。
ここでオグリキャップに左手での握手を求めているのは意味があるとのこと。その理由は最新の漫画の展開にて明かされているようですが、アニメではしばらく先になりますので楽しみにしたいと思います。
オグリ、クラシック登録未登録が発覚!……モデルのオグリキャップ号の場合は実際どうだったのか?
授業中、クラシック登録を行っていないことが発覚するオグリキャップ。モデルのオグリキャップ号の場合は、どうだったのでしょうか?
実際の中央競馬のクラシック登録は、3回設けられた規定の期間に登録料を支払う必要があります。
ですがその第1回締め切り当時、オーナーである小栗氏は中央への移籍などはまったく考えておらず、事情が変わって中央移籍を果たした後も、当時のオグリキャップ号は笠松でこそ連勝をして芝レースの適性はあったものの、地方からの移籍馬の一頭に過ぎませんでした。
ゆえに中央でのオーナーも調教師も、クラシック未登録は仕方ないと割り切り、その時点でのオグリキャップ号なりの道を歩ませようという方針だったそうです。
しかしその後のオグリキャップ号の活躍で、このクラシック未登録の件が、今後の中央競馬界に大きな影響を与えることになるのです。
少しネタバレに抵触してしまうので、下記に閉じておきます(クリックで表示)。
オグリキャップ号のクラシック未登録が与えた影響とは
中央競馬においてのオグリキャップ号の連戦連勝を目の当たりにし、実力がありながら登録を行わなかったばかりにクラシック三冠レースに出走できない自体を無くすため、1992年に「追加登録制度」が導入されます。3回目の締め切りの際に追加登録料200万円を払えば出られるという制度です。
この制度を利用してクラシック三冠で勝利した馬は現在までで以下の6頭。
1999年 皐月賞 テイエムオペラオー号
2002年 菊花賞 ヒシミラクル号
2002年 桜花賞 アローキャリー号
2013年 優駿牝馬(オークス) メイショウマンボ号
2014年 菊花賞 トーホウジャッカル号
2015年 菊花賞 キタサンブラック号
このうちテイエムオペラオー号、ヒシミラクル号、キタサンブラック号はウマ娘にもなっています。
会長・シンボリルドルフの「中央を無礼(なめ)るなよ」のセリフに関して、なぜスカウトをしたのにそのような態度を取るのか、または何故クラシック登録を強く勧めてくれなかったのかという感想を目にすることがあります。
我々はオグリキャップ号の華々しい活躍を知っていますが、シンデレラグレイの物語の中のシンボリルドルフとしては、確かにオグリキャップは中央で競争になるレベルの実力は持っている、いち地方にはもったいない人材だと思ったからスカウトはしたが、移籍直後に中央のレースの最高峰であるクラシック三冠レースで戦えるようなレベルとまでは思っていなかった。
この後、中央トレセン学園の恵まれた環境でトレーニングを積み、猛者が集うレースで鍛えれば、「いずれグレードにも届くだろう」という程度の評価が正直なところだったのでしょう。
ちなみにこのシーンでイメージ的に日本ダービーのマントを羽織ってウマ娘たちの屍?の上に立つウマ娘は、メリービューティー(モデル馬はメリーナイス号)だと思われます。
サクラチヨノオーとマルゼンスキーの関係とは?
生徒会室のシーン後、トレーニングを行うオグリキャップの近くで仲良く会話するウマ娘二人が登場します。サクラチヨノオーとマルゼンスキーです。
コミックスには存在しないアニメオリジナルのシーンなのですが、これは彼女らのモデル馬・マルゼンスキー号がサクラチヨノオー号の父馬であるということを暗に示したシーンであると考えられます。
先にご紹介したサクラチヨノオー号の勝ち鞍の1つである「朝日杯3歳ステークス」は、第1話の解説記事でもご紹介したようにマルゼンスキー号も勝利したレース。親子で同名のレースを制していることになりますね。
六平銀次郎のチームウマ娘の元ネタとは?
トレーナー・六平のモデルの一人は、中央競馬にてオグリキャップ号の調教師となった「瀬戸口勉」氏と思われます。そこから類推すると、彼のチームのウマ娘たちのモデルは、瀬戸口氏が調教師として関わった競走馬たちと考えられます。
メイクンツカサ
ピンク・青の格子柄の右耳飾りをつけた明朗快活なウマ娘。
こちらは「メイショウサムソン」号と「ツカサパワー」号の名前を合わせたものと思われます。
実際にはメイショウサムソン号はオグリキャップ号より後年の2000年代初頭に活躍した馬で、ツカサパワー号は1980年代の馬です。
メイショウの冠名を持つ馬主である松本好雄氏の勝負服のピンク・青が、耳飾りの色合いのモチーフかもしれません。
ちなみにメイショウサムソン号はG1では2006年皐月賞および東京優駿(日本ダービー)、2007年 天皇賞(春)および(秋)を勝利しています。四冠馬!以下、彼の勝利したG1レースをご紹介します。
2006年4月16日 皐月賞
2006年5月28日 東京優駿(日本ダービー)
2007年4月29日 天皇賞(春)
2007年10月28日 天皇賞(秋)
クラフトユニヴァ
こちらはおそらく、「ラインクラフト」号と「ネオユニヴァース」号の名前を合わせた名前でしょう。両馬ともそれぞれ実名にてウマ娘にもなっています。ラインクラフト号は2000年代初頭に活躍の牝馬、ネオユニヴァース号も2000年代初頭に活躍の牡馬です。
耳飾りの縞柄がラインクラフト号の勝負服の腕、色合いはネオユニヴァース号の勝負服の腕の青から取っているのかもしれません。
以下、彼らの勝利したG1レースをご紹介します。
ラインクラフト号:2005年4月10日 桜花賞
ウマ娘にもなっているシーザリオ号、デアリングハート号、エアメサイア号も出走しているレースです。
ラインクラフト号:2005年5月8日 NHKマイルカップ
ウマ娘にもなっているデアリングハート号も出走しているレースです。
ネオユニヴァース号:2003年4月20日 皐月賞
ネオユニヴァース号:2003年6月1日 東京優駿(日本ダービー)
ウマ娘にもなっているゼンノロブロイ号も出走しているレースです。
ゴッドハンニバル
こちらは「ゴッドスピード」号と「マルカハンニバル」号の名前を合わせたものと思われます。
このゴッドハンニバルは、一人でなぜか並走トレーニングに参加していませんが、名前のモデル(推定)の馬の一頭であるゴッドスピードが1999年に中山大障害という障害競走の大レースを勝った、つまり障害競走の馬ということもあるかも……しれません。
1999年12月18日 中山大障害
G3レース「ペガサスステークス」の元ネタとは?
オグリキャップの中央初戦に決まった、ペアルック……ペガサスステークス。これは、同名の1988年3月6日のレースがモデルで、2025年時点ではチャーチルダウンズカップという名称になっています。
実際の出走馬は以下の通り。8枠10番ラガーブラック号がウマ娘ブラッキーエールのモデルです。
ちなみに7枠7番 インターアニマート号の父はマルゼンスキー号でした。
【1988年3月6日 ペガサスステークス出走馬リスト】
1枠1番 マチカネイトハン
2枠2番 ワンダーテイオー
3枠3番 アグネスカノーバ
4枠4番 オグリキャップ
5枠5番 メイショウコテング
6枠6番 ミリオンプリンス
7枠7番 インターアニマート
7枠8番 グレートモンテ
8枠9番 ミズホリード
8枠10番 ラガーブラック
第7話まとめ
第7話の元ネタまとめ、以上となります。
このあとの話数も元ネタご紹介していきますので、ぜひまた読んでいただけると嬉しいです!
「シングレ」アニメの先行配信サイトまとめ
「ウマ娘 シンデレラグレイ」アニメがテレビ放映直後の毎週日曜17:00から先行配信される見放題配信サイトをまとめました!
- ABEMA TV
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