⇒【ウマ娘 シンデレラグレイ】アニメ第2話「元ネタ」・モデルをまとめて解説してみました【オグリキャップ】【トレーナー北原穣のモデル考察】
2025年春アニメ「ウマ娘 シンデレラグレイ」。
このアニメは、ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」およびヤングジャンプで連載中の漫画が原作なのですが、主役のウマ娘「オグリキャップ」は1987年から1990年にかけて活躍した実在の名競走馬・オグリキャップがモデルになっています。
「ウマ娘」というコンテンツは、ウマ娘のキャラクター造形やストーリーに、実際の競走馬やスタッフの方々のエピソードを敬意をこめて反映しているのが魅力の作品でもあります。ですので、そういったエピソード、つまり「元ネタ」探しとその比較も楽しみの1つです。
この記事では「ウマ娘 シンデレラグレイ」という作品を楽しむための「元ネタ」を紹介していきたいと思います。
※アニメのみを追う予定の方には、先の展開のネタバレに抵触する箇所が出てまいります。ご注意ください。
ゴールイン後の着差表示は競馬由来
フジマサマーチとオグリキャップがゴールインをしたあと、実況の「確定のランプが点灯しました」というアナウンスとともに表示された掲示板がありましたね。
1位と2位の間に「クビ」と表示され、その下には「5」と書かれていました。
このレースのモデルとなった実馬オグリキャップも、1987年5月19日のデビュー戦で、フジマサマーチのモデル馬であるマーチトウショウに「クビ」差の2着に敗れています。
この「クビ」や「5」というのは、競馬由来の着差の表示方法です。
先にゴールした馬の鼻の先端と、次の馬の鼻の先端の間隔を短い順に
・ハナ
・アタマ
・クビ
・1(馬身)
・2(馬身)
……というように表現します。
ですので、この場合は、1位のフジマサマーチと2位のオグリキャップの着差は「クビ」差、アニメを見る限りおそらく頭の先から首の付け根までくらいの差。
オグリキャップと3位のウマ娘の着差は、標準的体格のウマ娘「5」人並べたくらいの差……という感じだと思います。
ベルノライトの元ネタを考察する
レース後、放心状態のオグリキャップにいちはやく駆け寄り気遣うベルノライト。彼女はここまでの話数で、自分のレースよりも、なにかとオグリキャップを心配する様が描写されています。
このベルノライトにも、モデル・元ネタはあるのでしょうか?
候補① 同期の競走馬「ツインビー」
馬のオグリキャップの笠松競馬時代、同期の競走馬に、「ツインビー」という馬がいました。
1990年の笠松オールカマーといったレースに勝つなど、笠松を主戦場として活躍した牝馬(メスの馬)です。
ウマ娘の基本デザインの決まりとして、右耳に飾りがあるウマ娘はモデルが牡馬(オスの馬)、左耳飾りはモデルが牝馬というものがあります。
ウマ娘・ベルノライトの飾りは左耳についているので、モデルは牝馬。また、髪の両側に2つ(ツイン)の「B」の形をした飾りがあるため、このツインビーが元ネタなのではないかと推測されます。
候補② 厩務員「川瀬友光」氏
デビュー戦後、放心するオグリキャップに駆け寄るベルノライト。
オグリキャップのボロボロの靴に気づきます。
このボロボロの靴は、馬のオグリキャップがデビュー戦から数戦目の間に患っていた、蹄の病気がモデルになっていると思われます。
その蹄を掃除するなどの対処を行い完治させたのが、当時のオグリキャップの世話を行う係(厩務員)であった「川瀬友光」氏。
これはベルノライトが、オグリキャップの新しいレースシューズを的確に選んであげたというエピソードに反映されているのではないでしょうか。
候補③ 装蹄師「三輪 勝」氏
そして、もう一つの元ネタ候補が、オグリキャップが笠松競馬所属時代に、同じく笠松に所属していた装蹄師・三輪 勝氏です。
装蹄師とは、馬の蹄(ひづめ)の管理を専門的に行う技術者のことです。蹄鉄を装着したり、蹄を削ったりすることでバランス調整し、競走馬のパフォーマンス向上や健康維持などに寄与する方々です。
そのように整えられた蹄は競争馬にとって、スポーツシューズにも例えられます。
ベルノライトはウマ娘専用スポーツ用品ショップ会社の令嬢で、自身もシューズについて造形が深くオグリキャップにふさわしいシューズを的確に選ぶことができる才能を持っています。
また、それだけではなく、この三輪氏が特に元ネタとして大きな割合を占めているのではないかと考えるには、もう1つ理由があります。
この先の展開の大きなネタバレとなりますので、下記に閉じておきます(クリックで表示)。
ベルノライトが三輪 勝氏をモデルにしていると思われる理由
シンデレラグレイのこの後の展開で、オグリキャップはシンボリルドルフにスカウトされ、中央のトレセン学園に行くことになります。
同時にベルノライトも、中央トレセン学園スタッフ研修生の編入試験を受けて合格しており、サポートスタッフとしてこれからもオグリキャップを支えたいと、彼女に同行します。
これは、馬のオグリキャップも中央競馬の馬主資格を持つ佐橋五十雄オーナーが彼に惚れ込み、オーナーや調教師を口説き落として中央への移籍させた過程をモデルにしていると同時に、三輪氏もオグリキャップの装蹄師として共に中央競馬に移籍したという経緯も元ネタとなっているのだと思われます。
サウスヒロインさんの一コマイラストがアニメに使われていましたね
また、2話解説記事でも引用しました漫画担当の久住先生の下記のX投稿、アニメで使われていたのが嬉しかったです!
ちなみにサウスヒロインの声をあてた夏目妃菜さんは、ゲーム「ウマ娘」で実装されているウマ娘「グランアレグリア」の声優さんでもあります。 \おはマイル!/
整備員「こんなのまるで……怪物の足跡だな」
レース後のコースを整備する係員が、オグリキャップの残した足跡を見て「まるで怪物の足跡だ」と評します。
この元ネタは2つ考えられます。
1つは、馬のオグリキャップの愛称「芦毛の怪物」。芦毛は第1話の解説でも描きましたが、馬の体毛の種類を言います。
2つめは、馬のオグリキャップの走り方は蹴る力が強いと評されてきたことによるもの。
これから、ウマ娘・オグリキャップもそんな愛称で呼ばれるほどに力強い走りを魅せる存在になっていく……と思わせる予兆のシーンだと思います。
校長「順当に行けば、中京盃あたりかな?」
カサマツトレセン学園の校長室で、校長からデビュー戦の勝利を労われるフジマサマーチと柴崎トレーナーのシーン。
校長の口から出たレース名「中京盃」は、2003年まで行われていた実在のレースが元になっています。
オグリとベルノが靴を買いに行く「RAINBOW TOWN」にもモデルあり
ベルノライトがオグリキャップとともに、靴を買うため訪れたショッピングモール「RAINBOW TOWN」。ここのモデルは、笠松駅から電車で30分ほどの場所にある「カラフルタウン岐阜」だと思われます。写真を見てみると、入口の形状、内装が似ています。
ちなみにオグリが反応するグルメは順番に、
・藤田屋のあんまき
・スターバックスコーヒー
・スガキヤ
・カラフルタウン岐阜のフードコート(左から福泰厨房・ペッパーランチ・スガキヤ)
……がモデルになっていると思われます。
また、推定スターバックスの店頭看板にあった「Carrot Frappecreme」。ウマ娘の好物であるニンジンを使ったスイーツなのが芸が細かいですね。
そしてオグリキャップの靴を買う店である「Sports Sports Lights」。ベルノライトの実家の支店ですが、外観は同じく「カラフルタウン岐阜」にあるスポーツショップ「Super Sports XEBIO」と似ています。
ノルンエースにモデル・元ネタはいるのか?
靴を買ってから2週間後のオグリキャップのレース。オグリ以外にサウスヒロインとノルンエースが出場します。
基本的に公式のレースにはモデルがあるのがウマ娘というコンテンツの特徴なのですが、このレースもそうなのでしょうか。
ノルンエースは意地悪な役回りなので、仮名だとしてもウマ娘的に特定の馬がモデルだと察せられてしまうようなことはしないはずだと思い、調べてみますと。
馬のオグリキャップの2戦目は、1987年6月2日のレースでした。
勝者はアニメでそうであったようにオグリキャップ。2位はノースヒーロー。ウマ娘・サウスヒロインのモデルです。
そして、このレースは7頭が参戦しています。
アニメでノルンエースのつけているゼッケンは8番。シンデレラグレイのこのレースは、8人ウマ娘が参加するレースということ。
つまり、ノルンエースはモデルのいないウマ娘ということになります。
では名前に意味はあるのでしょうか?
「ノルン」には北欧神話に登場する運命の女神の意味があります。主に運命の三女神のことを指すそうなのですが、ノルンエース・ルディレモーノ・ミニーザレディがトリオ扱い(川村トレーナーにも「三バカ」と呼ばれていました)だとすると、三人の中での代表、エース格ということで「ノルンエース」なのではないかと思いましたがいかがでしょうか。
ベルノライト「もうすぐオグリちゃんのウイニングライブですね」
ウイニングライブというのは、レースに勝利したウマ娘がレース後に歌い踊るライブのことです。1位のウマ娘のみの場合もあれば、1位をセンターに、2位以下がサブ的なポジションまたはバックダンサーとして参加する場合もあります。
競走馬でいうところのウイニングラン(1位の馬が観客席のあたりを走ってアピールすること)が元ネタだと思われます。
また、ライブの練習まで手が回らなかったオグリキャップが踊った盆踊りのようなダンス。これは「新笠松音頭」とのことです。
笠松町役場のYoutubeチャンネルに2週間前にアップされた「新笠松音頭」の動画がこちらです。
オグリキャップたちが走る山道のモデルとは?
これは漫画には場所が書かれていまして、「金華山」とのことです。笠松駅から電車で30分ほどの場所にある標高329mの山です。
織田信長の岐阜城のあった場所としても有名なようですね。現在は昭和31年に復興された城が建っているそうです(アニメでもちらっと映りました)。
また、オグリキャップがフジマサマーチと対峙するシーンは、おそらく金華山の展望台でしょう。手すりや眺望の雰囲気が似ています。
フジマサマーチ「ジュニアクラウンに出ろ、オグリキャップ」
フジマサマーチがオグリキャップに出場を促す「ジュニアクラウン」。これも実在のレースがモデルです。
ただ、今までのレースが馬のオグリキャップの出場順に忠実にモデルとしていたのに対し、このジュニアクラウンは史実では1987年10月のレースで、間にあと4戦ありますが、漫画のテンポアップのためにこのようにしたとのことです。
エンディング後に登場したウマ娘・タマモクロスとは?
オープニングにもちょっと悪役顔で出演していましたタマモクロス。とうとう本編にも登場しましたね。中央トレセン学園の生徒で、同名の競走馬がモデルのウマ娘です。近い将来、オグリキャップのライバルとなっていく人物でもあります。
彼女がきしめんを食べている場所は、笠松競馬場にある実在の食堂「丸金食堂」がモデルになっています。
なぜ中央のウマ娘であるタマモクロスがカサマツレース場にいるのか?
馬のオグリキャップの勝利したジュニアクラウンは1987年10月4日のレースですが、タマモクロスも1987年10月4日に阪神競馬場のレースに出場、3位となっています。
シンデレラグレイでは、この同日に近くの競馬場にいたという史実を使い、タマモクロスが電車に乗り間違えたことがきっかけで、地方レース場(カサマツ)を見ていこうと思い直す
……と設定したようです。
第3話まとめ
第3話の元ネタまとめ、以上となります。
このあとの話数も元ネタご紹介していきますので、ぜひまた読んでいただけると嬉しいです!
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