【緊急レポート】土用丑の日にウナギを食べるあなたへ。実はそれが「ウナギを守る」ための第一歩だった?

2024年7月25日、今年の土用丑の日がやってきます。スーパーや飲食店には、香ばしいかば焼きが並び、食欲をそそりますね。

でも、こんなことを思ったことはありませんか? 「ウナギって絶滅危惧種なのに、食べていいのかな?」 「最近、なんでこんなに値段が高いんだろう?」

そんなあなたの疑問に答える、興味深い研究が発表されました。ウナギを食べることが、実はウナギを守ることにつながるかもしれないという、驚きの内容です。

ウナギ博士が解き明かす「食べ物」と「生き物」の意外な関係

長崎大学の松重一輝助教と、北九州市立自然史・歴史博物館の日比野友亮学芸員は、日本を代表する新聞2紙(朝日新聞と毎日新聞)の記事を分析し、ウナギに対する私たちの「ホンネ」を探りました。

その結果、ウナギの漁獲量や資源の減少への関心は、土用丑の日前後に「蒲焼き」などの食べ物に関する話題とともにグッと高まることがわかりました。

つまり、「食べる」という行為が、私たちにウナギのことを考えるきっかけを与えてくれるのです。

「昔はウナギがもっと身近な生き物だった」という物語

研究では、もう一つ、大切な事実が明らかになりました。 それは、「食べ物」としてのウナギと接する機会は多いのに、「生き物」としてのウナギと直接触れ合う機会が、昔に比べて圧倒的に減っていることです。

昔の人々、特に60代以上の方々は、子どもの頃に川でウナギを見つけたり、捕まえたりした経験を今でも鮮明に覚えています。これは、ウナギが私たちにとって、単なる「食べ物」ではなく「身近な生き物」だった時代の名残です。

この「生き物としての体験」が失われると、私たちは現在のウナギが直面している本当の危機に気づきにくくなってしまいます。松重助教は、これを「シフティング・ベースライン症候群」と呼んでいます。世代が変わるごとに、ウナギが減った状態が「当たり前」になってしまうという、非常に怖い現象です。

土用丑の日は、未来のウナギを考える日

今回の研究は、ウナギの保全と消費は対立するものではなく、むしろ互いに助け合える関係にあることを示唆しています。

今年の土用丑の日には、ぜひ、食卓に並んだウナギをじっくりと見てみてください。そして、少しだけ、そのウナギがどんな旅をしてきたのか、そして、未来のウナギとどう付き合っていくべきか、考えてみませんか?

私たちがすべきことは、ただ「ウナギを食べるのをやめる」ことだけではありません。

  • ウナギが豊富に生息していた時代の物語を、誰かに話してみる。
  • 地元の川や自然公園で、ウナギのすみかを探してみる。
  • 責任をもって管理されたウナギを選ぶ。

これらの小さな行動が、未来のウナギを守ることにつながります。おいしく食べることを通じて、ウナギとの新しい関係を築いていきましょう

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