旅する天才絵師、河鍋暁斎の物語を体験する
天才絵師として知られる河鍋暁斎。その生涯と作品を語る上で欠かせないのが「旅」です。今年は暁斎が信州を旅した年から160年、そして英国人建築家のジョサイア・コンドルらと日光へ旅した年から140年という、記念すべき年にあたります 。
企画展「旅と暁斎・暁翠」展では、暁斎と、その才能を受け継いだ娘の暁翠(きょうすい)が描いた「旅」にまつわる作品群を通じて、彼らの足跡と、それぞれの旅の物語を深く知ることができます 。
開催概要
- 展覧会名: 企画展「旅と暁斎・暁翠」展
- 会場: 公益財団法人 河鍋暁斎記念美術館
- 会期: 2025年9月1日(月)~10月25日(土)
- 開館時間: 10:00~16:00(16:00まで入館可)
- 休館日: 毎週火・木曜、毎月26日~末日
- 9月: 2、4、9、11、16、18、25、26~30日
- 10月: 2、7、9、14、16、21、23、26~31日
- 公式サイト: 河鍋暁斎記念美術館 公式サイト
注目の見どころ!主な展示作品をご紹介
今回の企画展では、約40点もの作品が展示されます 。その中でも特に注目すべきは、以下のような作品群です。
- 暁斎筆『隅田川春色』:繊細な筆遣いで描かれた、春の隅田川の情景 。
- 暁翠筆『業平の東下り』:父と同じく天才的な画才を発揮した娘・暁翠の筆による作品 。
- 暁翠筆『日光写生図 華厳の滝』:日光への旅で描かれた、臨場感あふれる写生図 。
この他にも、二代広重や三代豊国と合作した錦絵など、貴重な作品が展示されます 。
同時開催!特別展「復刻浮世絵版画展」も見逃せない
企画展と同時に、第3展示室では特別展「故・山根光雄制作 復刻浮世絵版画展」が開催されています 。浮世絵版画の復刻活動に尽力した山根氏の作品を通じて、浮世絵の美しさと奥深さを再発見する絶好の機会です 。
アクセス情報
河鍋暁斎記念美術館は、館長の自宅を改装した小さな美術館です 。初めて訪れる方は、アクセス方法を事前に確認しておくことを推奨します。
電車・バスでお越しの場合
- JR蕨駅(西口):コミュニティバス「ぷらっとわらび(南ルート)」に乗車し、「12 河鍋暁斎記念美術館前」バス停で下車 。
- JR戸田公園駅(西口):コミュニティバス「tocoバス(喜沢循環・オレンジ)」に乗車し、「カリン通り(10)」バス停で下車後、徒歩2分 。
- JR西川口駅(西口):西口より徒歩約20分 。
お車でお越しの場合
専用の無料駐車場が7台分用意されています 。
入館料
入館料は、現金での支払いのみとなります 。
- 一般: 600円(特別展開催時)
- 高校生・大学生: 500円
- 小・中学生: 300円
- 65歳以上: 500円
- 障がい者手帳等をお持ちの方: 100円引き
最後に
歴史と旅の物語が詰まった企画展『旅と暁斎・暁翠』展は、秋の行楽シーズンにぴったりのイベントです。ぜひ足を運んで、天才絵師とその娘が描いた「旅」の軌跡をたどってみてはいかがでしょうか 。
なお、会期や開館時間、イベント内容は変更になる可能性があります。最新の情報は、必ず公式サイトにてご確認ください。
あわせて読みたい「美術・工芸」の記事
一枚の絵に、一つの工芸に、込められた物語を知る。あなたの感性を揺さぶる、新たな美との出会いがここに。
-
【東京】で今見るべき美術展・展覧会情報まとめ(2025年最新)
東京都内で現在開催中の、心揺さぶる美術展・展覧会の情報を総まとめ。週末に訪れたい美術館の特別展から、ユニークなアートイベントまでご案内。 -
絵師たちの人間模様に迫る!板橋区立美術館「狩野派の中の人」展が面白い
江戸時代、巨大な組織であった狩野派。本展では、天才伝説のある人、気性が激しい人、親子関係、ライバル関係など、絵師たちの知られざる人柄や人間模様に焦点を当て、作品をより深く楽しむことができます。 -
【京極夏彦】妖怪と版本の魅力を探る!印刷博物館『館長就任記念展示 第Ⅱ期』
印刷博物館の新館長に就任した作家、京極夏彦氏。就任記念展示の第Ⅱ期では、氏の著作と、妖怪や伝承を描いた江戸期の版本が展示されます。その見どころを詳しくご紹介します。 -
印刷博物館で開催!あれもこれも蔦重!お江戸の名プロデューサー蔦屋重三郎
都内五館が連携して開催される、江戸の名プロデューサー蔦屋重三郎の世界。印刷・出版というメディアを巧みに操り、時代の流行を生み出した多面的な才能に迫ります。 -
武士の探究と学藝の粋に迫る—五島美術館で国宝『紫式部日記絵巻』を特別公開
五島美術館にて特別展「武士の探究—鎌倉時代から江戸時代にわたる学藝と武家文化—」が開催。和歌や書画に親しんだ武士の文化に加え、国宝「紫式部日記絵巻」も特別公開されます -
「蔦屋重三郎と版元列伝」展:浮世絵の黄金時代を支えたプロデューサーたちの物語
2025年8月30日より太田記念美術館で開催される「蔦屋重三郎と版元列伝」。NHK大河ドラマの主人公として注目を集める蔦屋重三郎を中心に、浮世絵草創期から明治時代に活躍した12の版元に焦点を当て、彼らの企画力や戦略を紐解く展覧会です。