皆様、こんにちは。 浮世絵といえば、誰もが一度は目にしたことのある、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」。その代表作全46図が一堂に会する待望の展覧会が、浮世絵専門の太田記念美術館で開催されます。
約8年ぶりとなる本展は、ただ作品を鑑賞するだけではありません。北斎が描いた風景と実際の「地形」との関係に迫る、非常に興味深い切り口が用意されています。
この記事では、世界的名作を深く味わうための見どころから、お得な割引情報、そして見落としがちな注意点までを、詳しくご案内いたします。
本展のここに注目!3つの見どころを深掘り
今回の展覧会を最大限楽しむために、特に注目したい3つのポイントをご紹介します。
1. 北斎が描く多彩な富士、全46図を堪能
「神奈川沖浪裏」のダイナミックな波、鮮やかな赤富士で知られる「凱風快晴」。これら「三役」と呼ばれる超有名作はもちろん、シリーズ全46図が勢ぞろいします 。桶の中から富士を覗く奇抜な構図の「尾州不二見原」など、北斎の斬新な発想と多彩な表現を心ゆくまで楽しめます 。
2. 「地形」から読み解く、北斎の創作意図
本展最大の独自性は、「高低差」と「水辺」という地形のキーワードから北斎の工夫に迫る点です 。多くの作品は、台地の縁や水辺越しに富士を捉えています。なぜその場所から描いたのか?現地の写真や地形図を交えた検証を通して、北斎の計算され尽くした構図の秘密を知ることができます 。
3. 広重・国芳との比較展示も
展示は「冨嶽三十六景」だけではありません。「冨嶽三十六景」のもととなった図が描かれている『北斎漫画』や、同じ名所をライバルである歌川広重や歌川国芳が描いた作品も合わせて展示されます 。見比べることで、それぞれの絵師の個性や表現の違いがより鮮明になり、面白さが倍増します。
知っておきたい!イベントと鑑賞のポイント
より深く展覧会を楽しむための、実用的な情報です。
- 学芸員によるスライドトーク
担当学芸員が見どころを直接解説してくれるイベントが、会期中3回開催されます。参加には当日配布の整理券が必要ですので、ご希望の方はお早めに。
・開催日時:7月31日(木)、8月8日(金)、8月19日(火) 各日10:50から - お得な割引情報
山種美術館や戸栗美術館など、近隣の美術館の半券や会員証を提示すると、入館料が100円引きになります 。「べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館」の来館記念証も対象です 。 - 【最重要】決済は「現金のみ」
太田記念美術館では、クレジットカードやQRコード決済は利用できません 。入館料やグッズの購入は、すべて現金のみの取り扱いですので、事前に準備しておくことを強くお勧めします 。
開催概要・アクセス・チケット情報
項目 | 詳細 |
展覧会名 | 葛飾北斎 冨嶽三十六景 |
会期 | 2025年7月26日(土)~8月24日(日) |
会場 | 太田記念美術館(東京都渋谷区) |
アクセス | JR原宿駅より徒歩5分、東京メトロ明治神宮前駅より徒歩3分 |
開館時間 | 10:30~17:30(入館は17:00まで) |
休館日 | 月曜日(8/11は開館)、8/12 |
観覧料 | 一般:1,200円、大高生:800円、中学生以下:無料 |
公式サイト | https://www.ukiyoe-ota-muse.jp/hokusai-fugaku/ |
※日時指定予約は不要です 。
※学生の方は学生証をご提示ください 。
まとめ
誰もが知る葛飾北斎の傑作を、新たな視点から深く味わうことができる「葛飾北斎 冨嶽三十六景」展。 作品の素晴らしさはもちろん、「地形」というユニークな切り口は、アートファンだけでなく、地理や歴史好きの方にも新たな発見をもたらしてくれるでしょう。
アクセスしやすい原宿で、世界を魅了し続ける日本の至宝に触れてみてはいかがでしょうか。
展示の見どころ紹介動画はこちらから!
イベント情報を探す
▼美術・工芸の総合情報
▼月別イベントまとめ
- 【11月の美術・工芸イベントまとめ】文化の日・連休に巡る展覧会をご案内
- 【10月の美術・工芸イベントまとめ】芸術の秋本番!注目の展覧会をご案内
- 【9月の美術・工芸イベントまとめ】秋の連休に巡る展覧会をご案内
- 【2025年8月】美術展・展覧会まとめ(開催中・開始イベント一覧)
▼地域別まとめ
おすすめ美術・工芸記事
-
【東京】で今見るべき美術展・展覧会情報まとめ(2025年最新)
東京都内で現在開催中の、心揺さぶる美術展・展覧会の情報を総まとめ。週末に訪れたい美術館の特別展から、ユニークなアートイベントまでご案内。 -
【衝撃の事実】9割の人が知らない歌川国芳『相馬の古内裏』のウソ?!滝夜叉姫と巨大ドクロの謎を解き明かす【黄昏探求舎の妖怪絵元ネタ徹底解説】
歌川国芳の『相馬の古内裏』は、なぜ巨大なドクロが描かれているのか? 実は、一番目立つドクロは原作には登場しません。 この記事では、歴史的背景と当時の大衆文化を紐解き、浮世絵に隠された真実を徹底解説します。 -
【国立科学博物館】特別展「大絶滅展」徹底解説!見どころ、福山雅治コラボ、お得なチケット情報も
国立科学博物館で「大絶滅展」開催!生命史の5大絶滅「ビッグファイブ」を貴重な化石で辿ります。福山雅治さんのナビゲート、すみっコぐらしコラボ、お得なチケットや見どころを徹底解説
「美術・工芸」アクセスランキング
-
【茨城・水木しげる展】妖怪誕生の秘密に迫る!五浦美術館で「妖怪 百鬼夜行展」開催(9/12~10/26)
水木しげるの妖怪たちはどう生まれた?五浦美術館で、その創作の秘密に迫る展覧会が開催 。原画約100点や貴重な蔵書も必見です 。 -
【島根県立美術館】北斎展「永田コレクションの全貌公開〈二章〉」完全ガイド!見どころ、料金、イベント情報を解説(9/10〜11/3)
島根県立美術館で北斎展が開催!県外不出の永田コレクションから「葛飾北斎期」「戴斗期」の作品、約500冊の版本世界を体感。見どころやお得なチケット情報を紹介します。 -
【東京・美術展】土佐の天才絵師、ついに東京へ!サントリー美術館で「絵金」展開催(9/10~11/3)
「絵金さん」を追って、高知の夏祭りへ。血の色、闇に浮かぶ役者たち。異彩を放つ幕末の天才絵師、その芝居絵屏風がついに六本木に集結します。
「美術・工芸」新着一覧
-
【福岡】10月2日(木)〜7日(火)開催!アジア芸術交流展 in 福岡|絵画・書・工芸が無料で見られる!会場は福岡アジア美術館
アジア芸術交流展が福岡アジア美術館で開催。中国、日本などアジア各国の絵画、書、工芸を無料で鑑賞できる。 -
【福岡】個性豊か!九州歴史資料館の企画展で「江戸時代の福岡のやきもの」の奥深さに触れる
江戸時代、豊前・筑前・筑後の三地域に分かれていた福岡で焼かれていたやきものを紹介する特別展。高取焼、小石原焼、上野焼など、100か所以上で作られた個性豊かなやきもの111件の展示概要、会期、アクセス情報をまとめています。 -
アートは『鏡』か『トリガー』か?たそたん、福岡市美術館「コレクターズⅣ─トリガーと鏡─」で、”クラウドワークス””Soup Stock Tokyo”二人の経営者の“魂”に触れる
アートは心を映す『鏡』か、日常を変える『トリガー』か? Soup Stock Tokyoとクラウドワークス、二人の経営者コレクターの哲学が交差する。 「たそたん」が、福岡市美術館で彼らの“魂”に触れる探求の記録。 -
【山口】奇才絵師の魔力に迫る!山口県立美術館『歌川国芳展―奇才絵師の魔力』で江戸アートを堪能しよう
奇才絵師・歌川国芳の魅力を探る『歌川国芳展―奇才絵師の魔力』が山口県立美術館で開催。約400点もの作品が前期・後期に分けて展示され、猫好きにはたまらない作品や、大判三枚続の迫力ある作品を堪能できます。 -
【11月の美術・工芸イベントまとめ】文化の日・連休に巡る展覧会をご案内
芸術の秋、本番。文化の日や連休に訪れたい、全国の美術展・展覧会の11月開催情報を網羅してお届けします。 -
【10月の美術・工芸イベントまとめ】芸術の秋本番!注目の展覧会をご案内
芸術の秋、本番へ。10月に訪れたい、全国の美術館・博物館の特別展・企画展情報を網羅。連休や週末のお出かけ計画に。