渓斎英泉と歌川広重、二人の巨匠が手掛けた不朽のシリーズ「木曽海道六拾九次之内」。その出版190年を記念する特別な展覧会が、岐阜県恵那市の中山道広重美術館で開催されます。
実に18年ぶりとなる全点公開に加え、今回は「摺り違い」という、浮世絵の奥深い魅力に迫るテーマが掲げられています。
この記事では、本展を最大限に楽しむための見どころから、大変お得な無料観覧日の情報まで、お出かけ前に知りたい情報を詳しくご案内いたします。
「摺り違い」とは? 本展を10倍楽しむための鑑賞術
本展の最大のテーマは「摺り違い」を見比べる愉しみです 。
浮世絵は同じ版木を使っても、摺られた時期によって配色や技法が異なる場合があり、これを「摺り違い」と呼びます 。例えば、空の色が違ったり、ぼかしの技法が追加されたりすることで、同じ絵でも全く異なる印象を与えるのです 。
本展では、中山道広重美術館が所蔵する192点もの「木曽海道六拾九次之内」を比較展示することで、この「摺り違い」の面白さを心ゆくまで体感できます 。ぜひ、作品ごとの細かな表現の違いに注目してみてください 。
【必見】無料観覧日をチェック!
本展では、大変お得な無料観覧日が設けられています。
- 毎週水曜日・金曜日
- 18歳以下は常時無料
- 障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名まで無料
週末の混雑を避けつつ、観覧料も気にせず楽しめる絶好の機会です。ご都合のつく方は、ぜひこの日を狙って訪れてみてはいかがでしょうか。
前期・中期・後期、各期の見どころ
本展は三期に分かれており、すべての期間で展示作品が入れ替わります 。
- 前期:8月28日~9月28日(日本橋~追分)
シリーズ序盤、渓斎英泉が手掛けた作品が多く並びます 。緻密な風景描写が見どころです 。また、特別展示として歌川広重の最高傑作「雪月花三部作」が初めて揃って公開されます 。特に「阿波鳴門之風景」(花)は、希少な初期の摺りであり、本展が初公開となる大変貴重な作品です 。 - 中期:10月2日~11月3日(小田井~落合)
急峻な木曽路の宿場が中心となり、自然豊かな山間の風景美を楽しめます 。また、本コレクションを寄贈した田中春雄氏ゆかりの、中山道や岐阜をテーマにした名品も展示されます 。 - 後期:11月7日~12月7日(中津川~大津)
歌川広重が手掛けた作品が多く、旅情を誘う穏やかな風景が魅力です 。希少な「雨の中津川」や、美術館周辺の雪景色を描いた「大井」は必見です 。
開催概要・アクセス・チケット情報
| 項目 | 詳細 |
| 展覧会名 | 出版190年記念 渓斎英泉・歌川広重 木曽海道六拾九次之内―摺り違いの愉しみ― |
| 会期 | 2025年8月28日(木)~12月7日(日) |
| 会場 | 中山道広重美術館(岐阜県恵那市大井町176-1) |
| 開館時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
| 観覧料 | 一般:820円 |
| 無料情報 | 18歳以下無料、毎週水・金曜日は観覧無料 |
| 公式サイト | https://hiroshige-ena.jp/the-sixty-nine-stations-of-the-kisokaido2025/ |
※休館日が多く設定されていますので、ご来館前には必ず公式サイトをご確認ください 。
まとめ
18年ぶりに全貌を現す「木曽海道六拾九次之内」と、通好みの「摺り違い」の魅力、そして初公開となる広重の傑作。浮世絵ファンならずとも、見どころ満載の展覧会です。
特に、週2日の無料観覧日は大変貴重な機会です。秋の行楽シーズン、少し足を延ばして、奥深い浮世絵の世界に触れてみてはいかがでしょうか。
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