【東京・美術展】土佐の天才絵師、ついに東京へ!サントリー美術館で「絵金」展開催(9/10~11/3)

血のように赤い顔料、闇夜に浮かび上がる芝居の一場面。一度見たら忘れられない、鮮烈な印象を放つ絵師が幕末の土佐にいました。その名は、弘瀬金蔵(ひろせきんぞう)。地元・高知では親しみを込めて「絵金(えきん)さん」と呼ばれる、天才絵師です。

ふだんは高知の神社や蔵で大切に守られ、夏の夜祭りでだけ姿を現す彼の芝居絵屏風が、ついに東京・六本木に集結します。サントリー美術館で2025年9月10日(水)より開催される「幕末土佐の天才絵師 絵金」展は、東京の美術館では初となる大規模展です。

波乱の生涯が生んだ、唯一無二の芝居絵

絵金の人生は、まさに芝居のような波乱に満ちたものでした。町人の子から土佐藩の御用絵師へと大出世を果たしながら、33歳の頃、贋作事件に巻き込まれたとも言われ、その身分を剥奪。城下を追放されてしまいます。

しかし、彼の画才はそこで潰えることはありませんでした。在野の絵師となった金蔵は、歌舞伎や浄瑠璃のクライマックスを、極彩色で二曲一隻の屏風に描き出します。それこそが、今回展示される「芝居絵屏風」です。藩のお抱え絵師という立場から解放されたからこそ生まれた、常識にとらわれない、強烈な個性を放つ作品群です。

高知の夏祭りを、六本木で体感する

絵金の屏風は、ただの美術品ではありません。今なお高知各地の夏祭りで、神社の軒先や絵馬台に飾られ、蝋燭の灯りに照らされて人々を熱狂させる、生活と文化に深く根付いた宝です。

本展では、その祭りの雰囲気を東京で味わえるよう、実際に高知の神社で使われている「絵馬台」を展示室に再現。薄暗い空間に芝居絵屏風が浮かび上がる光景は、まるで土佐の夏祭りに迷い込んだかのような体験となるでしょう。

音声ガイドは中村七之助さん

本展の音声ガイドは、歌舞伎俳優の中村七之助さんがナビゲーターを務めます。芝居絵に描かれた物語の背景や見どころを、臨場感あふれる語りで案内。絵金が描いた芝居の世界を、より深く楽しむことができます。

開催概要

項目詳細
展覧会名幕末土佐の天才絵師 絵金
会場サントリー美術館
会期2025年9月10日(水)~11月3日(月・祝)
開館時間10:00~18:00(金曜は20:00まで)
※11/1, 2は20:00まで、六本木アートナイト(9/26, 27)は21:00まで開館
休館日火曜日(ただし9/23, 10/28は18:00まで開館)
観覧料・一般: 1,800円・大学生: 1,200円・高校生: 1,000円
※中学生以下無料、各種前売・割引あり

会場へのアクセス

  • 公式サイト: サントリー美術館
  • 住所: 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
  • アクセス: 都営大江戸線「六本木駅」8番出口直結 / 東京メトロ日比谷線「六本木駅」より地下通路直結

半世紀ぶりとなる高知県外での大規模展。異彩を放つ幕末の天才絵師「絵金」の、魂のこもった作品世界を、この機会にぜひご堪ッ能ください。

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