江戸時代に活躍したスター絵師たちの名作を一度に堪能できる、まさに「夢の競演」と呼ぶにふさわしい展覧会が、広尾の山種美術館で開催されます。
本展では、山種美術館が誇る珠玉の浮世絵と江戸絵画コレクションに加え、浮世絵専門の太田記念美術館から選りすぐりの「楽しい浮世絵」が特別に出品されます。
この記事では、豪華なラインナップが揃う本展の見どころから、賢く楽しむための多彩な割引情報まで、詳しくご案内いたします。
本展のここに注目!3つの「競演」
本展の魅力は、三つの異なるテーマの作品が一堂に会する点にあります。
1. 山種美術館の浮世絵オールスターズ
保存状態の良さで知られる山種美術館の浮世絵コレクションが、前期・後期に分かれて全点公開されます。 葛飾北斎の「冨嶽三十六景 凱風快晴」(後期展示)や、歌川広重の保永堂版「東海道五拾三次」、そして謎の絵師・東洲斎写楽の役者絵など、六大絵師の代表作を心ゆくまで楽しめます。
2. 太田記念美術館の「楽しい浮世絵」
日本有数の浮世絵コレクションを誇る太田記念美術館の協力により、「楽しい浮世絵」をテーマにした作品群が特別展示されます。 歌川国芳が得意としたユーモラスな戯画や、歌川芳藤が描く可愛らしい猫の作品など、思わず笑みがこぼれるような魅力的な浮世絵に出会えます。
3. 若冲、宗達も登場!江戸絵画の名品
本展は浮世絵だけではありません。俵屋宗達、伊藤若冲、岩佐又兵衛といったビッグネームが手掛けた、江戸絵画の優品もそろい踏み。 重要文化財に指定されている作品も含まれており、江戸時代の多彩なアートシーンを体感できます。
知っておきたい!お得な割引&鑑賞のポイント
本展には多くの割引制度があります。ご自身に合ったものをぜひご活用ください。
- 「夏の学割」 大学生・高校生は、500円で入館できます。 夏休みのお出かけに最適です。
- 「リピーター割引」 一度鑑賞した本展の有料入場券を提示すると、二度目以降は会期中の入館料が200円引きになります。 前期・後期で展示替えがあるため、両方楽しみたい方におすすめです。
- 「きもの特典」 きもので来館すると、入館料が一般料金から200円引きになります。
- 「相互割引」 太田記念美術館や戸栗美術館のチケットを提示すると、入館料が100円引きで入館できます。
注意:講演会「浮世絵鑑賞術 名品から迷品まで」は、既に定員に達し募集を終了しています。
【前期・後期】主な出品作家リスト
より詳しく知りたい方のために、前期・後期に分けて、主な出品作家とその代表作をリストアップしました。公式サイトでは全作品のリスト(PDF)も公開されていますので、併せてご確認ください。
(所蔵表記のない作品は山種美術館蔵)
【前期】2025年8月9日(土)~8月31日(日)
- 東洲斎 写楽
- 《二代目嵐龍蔵の金貸石部金吉》
- 鈴木 春信
- 《梅の枝折り》
- 鳥居 清長
- 《当世遊里美人合 橘妓と若衆》
- 歌川 広重
- 《東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景》
- 《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》
- 歌川 国芳 (太田記念美術館蔵)
- 《ほふづきづくし 八そふとび》
- 月岡 芳年 (太田記念美術館蔵)
- 《東京自慢十二ヶ月 六月 入谷の朝顔 新ばし 福助》
- 岩佐 又兵衛
- 《官女観菊図》【重要文化財】
【後期】2025年9月2日(火)~9月28日(日)
- 葛飾 北斎
- 《冨嶽三十六景 凱風快晴》
- 喜多川 歌麿
- 《青楼七小町 鶴屋内 篠原》
- 東洲斎 写楽
- 《三代目坂田半五郎の藤川水右衛門》
- 歌川 広重
- 「雪月花三部作」:《阿波鳴門之風景》《武陽金沢八勝夜景》《木曽路之山川》
- 歌川 芳藤 (太田記念美術館蔵)
- 《しん板猫のたわむれ踊のをさらゐ》
- 月岡 芳年 (太田記念美術館蔵)
- 《平維茂戸隠山鬼女退治之図》
- 伝 俵屋 宗達
- 《槙楓図》
- 伊藤 若冲
- 《伏見人形図》
- 椿 椿山
- 《久能山真景図》【重要文化財】
開催概要・アクセス・チケット情報
項目 | 詳細 |
展覧会名 | 江戸の人気絵師 夢の競演 宗達から写楽、広重まで |
会期 | 2025年8月9日(土)~9月28日(日) |
会場 | 山種美術館(東京都渋谷区広尾) |
アクセス | JR恵比寿駅西口より徒歩約10分 |
開館時間 | 10:00~17:00(入館は16:30まで) |
観覧料 | 一般:1400円、大学生・高校生:500円(夏の学割)、中学生以下:無料 |
公式サイト | https://www.yamatane-museum.jp/exh/2025/ukiyoe.html |
※休館日は月曜日です(祝日は開館)。
※複数の割引の併用はできません。
まとめ
浮世絵のスター絵師から、宗達、若冲といった江戸絵画の巨匠まで、まさにオールスターと呼ぶにふさわしい作品が一堂に会する本展。 一つの展覧会で、江戸アートの豊かさと多様性を存分に味わうことができる、またとない機会です。
夏のひととき、渋谷・広尾の落ち着いた空間で、贅沢な「夢の競演」を楽しんでみてはいかがでしょうか。